こんにちは。心理カウンセラーの今泉智樹です。
「お金のブロックを解除したいんです」
そんな相談を受けることが、定期的にあります。
相談に来られる方の多くは、カウンセラーやコーチとして活動されている方々です。
でも実は、「お金のブロック」という言葉は少し曖昧で、ひとことで説明できるものではありません。
今日は、実際にお金のブロックを抱えていたクライアントのヒプノセラピーセッションを通じて、
その正体と解除への道筋をお伝えしたいと思います。
「お金のブロック」とは、何を指しているのか?
お金のブロックを解除したいと言う方に「それってどういうことですか?」と聞くと、よく返ってくる答えがあります。
- 高い金額を請求できない
- 3時間セッションをしても2,000円以上もらえない
- 「まだ自分がお金をもらえるレベルじゃない」と感じてしまう
これらをまとめて「お金のブロック」と呼んでいるわけですが、実はこの言葉自体がかなり幅広い意味を持っています。
だから、「お金のブロックを解除しよう」といくらがんばっても、テーマが曖昧なままでは具体的な解決策が見えてこない。
まず必要なのは、その人が言う「お金のブロック」の正体を、丁寧に探り出すことなのです。
尊敬するコーチからの相談
今回のクライアントは、私の友人でもある男性コーチです。
コーチングの腕前は本物で、彼のクライアントたちは次々と目標を達成していく。
私自身も尊敬している人物です。
だからこそ、「お金のブロックがあって…」と相談を受けた時は、正直驚きました。
事前カウンセリングで見えてきたもの

ヒプノセラピーを始める前に、まず丁寧にカウンセリングを行います。
「お金のブロック」という曖昧なテーマの奥に、本当の原因を見つけるためです。
彼に話を聞いていくと、こんな思いが出てきました。
- 自分だけが儲かってはいけない気がする
- お客さんからお金をもらうことに強い抵抗がある
- お金をぶんどっているような罪悪感がある
- お金を受け取る局面をなるべく避けようとしている
お金を受け取る場面になると、もう一人の自分が強く抵抗してくる。
そんな状態が続いていると言います。
「目立ってはいけない」という見えない壁
さらに掘り下げていくと、こんな言葉が出てきました。
今泉:「なぜお金をもらうことに抵抗があるんですか?」
クライアント:「自分だけが豊かになってはいけない気がするんです。
目立つと…なんか命を狙われそうな感覚があって」
今泉:「そういう経験があったんですか?」
クライアント:「いや、実際にはないんですけど。でも、とにかく目立ってはいけない、という思いが強くて」
その「目立ってはいけない」という感覚が、仕事のあらゆる場面に影響していました。
立派なホームページを作っても、公開直前に突然記事が書けなくなる。
1年以上放置したまま。
そんな自分を、彼はずっと「ふがいない」と感じていました。
10年前の「派遣切り」と、みじめな自分

「その感覚はいつごろから?」と聞くと、10年ほど前の話が出てきました。
当時、大手企業で派遣社員として働いていた彼。
仕事も楽しく、会社への貢献もしていた。
ところが、ある日突然契約を打ち切られたのです。
いわゆる「派遣切り」が社会問題になっていた時期です。
収入が途絶え、妻の収入で何とか生活をつないだ。
「理想の自分は高いところに置いてるんです。目標は壮大なんですよ」
苦笑いしながらそう言った彼の言葉の裏に、「でも、何もできていない自分がいる」という痛みが見えました。
お金のブロックの本当の正体
今泉:「もし、自分が価値ある存在だと心から思えたら、どうなりそうですか?」
クライアント:「きっと…お金を受け取ることにも抵抗を感じなくなるかもしれない」
ここで、彼のお金のブロックの正体が見えてきました。
「自分に価値を感じていない」
それだけのことでした。
頭では「自分のクライアントは成果を出している」とわかっている。
でも、無意識の深いところから「どうせ自分なんて…」という声が浮かび上がってくる。
この声は、大人になってから作られたものではありません。
潜在意識は幼い頃に形成されると言われています。
つまり、原因はもっとずっと昔にある。
そこで、「なぜ自分に価値を感じられないのか?」をテーマにヒプノセラピーを始めました。
ヒプノセラピーセッション——潜在意識が見せた記憶
まずはゆっくりと深呼吸から入ります。
私の誘導に合わせてイメージを広げてもらい、10〜15分ほどで催眠状態に入っていきます。
※催眠状態と聞くと「意識がなくなる?」と思われる方もいますが、そうではありません。
しっかりと自分の意識はあり、会話もできます。
ただ、通常よりも潜在意識にアクセスしやすい状態になるのです。
深い催眠状態に入ったところで、「自分に価値を感じなくなったあの時」へと意識を向けてもらいました。
今泉:「今、どこにいますか?」
クライアント:「自宅の居間です。幼稚園生の頃の自分がいます」
やきそばの記憶と、イライラしているお母さん

居間の場面を詳しくイメージしてもらうと、普段は忘れていた記憶がよみがえってきました。
お母さんと一緒にお昼ご飯にやきそばUFOを食べていたとき、お茶をこぼしてしまった。
ソースが薄まって味がしない。横では、お母さんがイライラしている。
「ちゃんとしなさい!」
その怒った顔を見て、幼い彼はどう感じたか。
「胸が締め付けられるような思いです…」
さらに時間をさかのぼると、同じような場面が繰り返されていることがわかりました。
包丁を握るお母さんと、「僕がいなければ」という思い
もっと深い記憶へ。
今度出てきたのは、お母さんに「早く着替えなさい」と言われながら「まだいいか」とのんびりしていた場面。
そこへお父さんが入ってきて、お母さんを責め始めた。
「なんで着替えさせないんだ。お前の躾が悪い!」
両親の言い争いが激しくなるなか、お母さんがネーブルを剥いていた包丁を握ったまま、手が震え始めた。
それを見た幼い彼の恐怖は、言葉にならないものでした。
お父さんがとっさに包丁を押さえ、大きな声で制止する。
お母さんは泣きながら荒い息をついていた。
「余裕がないんだな…がっかりした。もっと余裕を持って生活してほしい」
そして、その場に立ち尽くしながら、幼い彼の心にこんな言葉が浮かんだのです。
「僕がいなければ良かった。僕がいなければ、お母さんは幸せになれたのに」
潜在意識を書き換えるセッション——お母さんの本当の気持ち
ヒプノセラピーでは、過去の出来事を再体験するだけでなく、
その時にはできなかったことをイメージの中でやり直すことで、潜在意識の記憶を書き換えていきます。
幼い彼に、その「僕がいなければ良かった」という思いをお母さんに伝えてもらいました。
するとお母さんは言いました。
「この子のせいじゃない。私のせいなんだ」
そして、こんな気持ちを持っていることも伝わってきました。
「のびのびと、健やかに育ってほしい。元気でいてくれるだけでいい」
「ごめんね。つらい思いをさせて。あなたは大切な子供だよ」
そう言いながら、幼い自分を抱きしめてくれるお母さん。
その瞬間、あたたかくて気持ちいい感覚が、クライアントをしっかりと包んでくれました。
お金のブロックの根っこにあったもの
セッションが終わったあと、静かにこんな話をしてくれました。
「ずっと、自分の中に幼い頃の自分がいたんですね。あの子がずっと『僕がいなければ良かった』と思い続けていた」
その幼い自分が、大人になっても「自分には価値がない」という信念を作り続けていた。
だからお金を受け取ることができなかった。
お金のブロックと言っても、その原因は本当に人それぞれです。
でも共通しているのは、「潜在意識の中に幼い頃書き込まれた何かがある」ということ。
だからこそ、まずはその正体をしっかりと見つけ出すこと。それが何よりも大切なのです。
もしあなたも「なぜかお金を受け取れない」「自分に価値を感じられない」という感覚があるなら、それは意志の弱さでも、根性が足りないわけでもありません。
潜在意識の中に、ずっとそう感じ続けている小さな自分がいるだけかもしれない。
その子を癒すことができた時、きっと何かが変わります。
今日も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 笑顔いっぱいの一日になりますように。
今日も自分を喜ばそう(^^)/

