心理カウンセラーの今泉智樹です。

「どれだけ頑張っても、自分に自信が持てない。」
「幸せが続かないと、どこかで思ってしまう。」
「やっぱり私はダメだ…」

こんなふうに、自己否定の気持ちが止まらない方は、決して少なくありません。

先日、まさにそのテーマでヒプノセラピーのセッションを行いました。
今回は、そのリアルな体験を通じて、自己否定が生まれる潜在意識のメカニズムをお伝えします。

読み終わる頃には、「もしかして、私も同じかもしれない」と感じていただけるはずです。

自己否定に悩むAさんのケース――まず「現場検証」から始める

セッションの前に、まず事前カウンセリングを行います。

クライアントのAさん(以下、Aさん)の口から、次々と言葉が出てきました。

  • 「幸せはずっとは続かないと思ってしまう」
  • 「どれだけやっても自信がない」
  • 「やっぱり私はダメだ」

自己否定を克服するために大切なのは、まず「その感情が生まれた瞬間を丁寧に再現すること」です。
カウンセリングではこれを「現場検証」と呼んでいます。

Aさんに、最近「自分はダメだ」と感じた場面を思い出してもらいました。

今、ある資格の勉強をしているAさん。

昨日、宿題をメールで提出しなければいけなかったのに、パソコンには「書く枠」しかできていない状態でした。

その瞬間、頭の中に浮かんだのは

「動いてないじゃん…」「やっぱりできない」

こうして、手が止まるたびに自己否定の感情が押し寄せてくるのです。

ヒプノセラピーで潜在意識にアクセスする

ヒプノセラピーでは、まずリラックスしてもらうために、自分の大好きな場所をイメージしてもらいます。

Aさんが選んだのは、家から10分ほどの場所にある河原。まわりは田んぼ。

「ここにいると、ほっとする。落ち着くんです。」

そのイメージの中でゆっくりとリラックスしてもらいながら、催眠状態へと導いていきます。

そして、先ほどの「宿題ができていなかった場面」へと時間を戻します。

パソコンの前で画面を見ている。10分か15分、動けないまま。

「今、何を感じていますか?」

「……どうしたら良いのかわからない。」

そして、徐々に別の感情も出てきました。

「何を求められているのか、何をさせたいのかもわからないし!」

ちゃんと説明もされていないのに、やれと言われても… そんな怒りの感情です。

「どうすればいいのか、聞かなかったの?」と私が聞くと、

「聞くのが怖かった。」

質問したら「そんなこともわからないの?」と思われそうで怖い、というのです。

潜在意識は、過去の記憶をつなげて答えを教えてくれる

ヒプノセラピーの大きな特徴のひとつが、過去の記憶を自由に行き来できることです。

「聞くのが怖かった」

この感情をたどって、同じような恐怖を感じた別の場面へと移動しました。

浮かんできたのは、別の講座を受けているときの記憶。

先生から何の説明もなく「わかるよね?」と言われた瞬間。

周りの受講生(全員が再受講者)は「私たちはわかってるし!」という顔で笑っている。

自分だけが初めての受講なのに、わかるはずがない。
でも、わからないことを気づかれたくない。

ただ黙って我慢するAさんがいました。

さらに、職場の記憶も浮かんできました。

ちゃんと期日に間に合わせて書類を提出したのに、突然上司から怒鳴られた。

「なんでこの書類ができていないんだ!」

なぜ怒鳴られなきゃいけないのか、まったくわからない。でも「すいません」と謝るしかない。
強く言われると固まってしまい、何も言い返せない自分。

「自分はダメだ」と思っていない——セラピストが気づいた、重要なこと

ここで私の中に、ひとつの疑問が湧いてきました。

Aさんの今日のテーマは「自己否定を克服したい」というもの。

でも、さっきから出てくる場面はすべて、「自分は悪くない」と感じている場面ばかり。
自分がダメだと思っている場面が、一つも出てこないのです。

これは、いったいどういうことだろう——?

こんなときヒプノセラピーでは、クライアントの潜在意識に直接問いかけることができます。

「これって、どういうことですか?」

すると、また違う記憶が浮かび上がってきました。

幼い自分の記憶――潜在意識が見せた「みじめさ」の原点

今度は、もっと幼い自分の記憶です。

ご飯茶碗の中でご飯をコロコロと丸めて遊んでいた。
でも次の瞬間、ご飯が床に落ちてしまった。

ゴミ箱に捨てながら浮かんできた思い

「ご飯がもったいない。私のせいで食べられなくなった。」

そのときの感情をじっくりと感じてもらうと、

「超みじめ……。一生懸命やってもやっぱり失敗する。」

この「超みじめ」という感情をはじめて感じた瞬間へと、さらに時間を遡ります。


3歳の記憶――自己否定の根っこにあった「お母さんへの恐怖」

「今、どこにいますか?」という問いに、Aさんは答えました。

「昔住んでいた団地です。」

団地の前にお菓子が落ちていて、「食べられるかな?」と思って見ていただけ。
そこへお母さんがやってきて、一言

「何やってるの!汚いでしょう!」

彼女はまだ3歳。

落ちていたから見ていただけなのに、突然怒られた。

ヒプノセラピーでは、人間が持つ本物の感情——「怒り」「悲しみ」「怖い(不安)」「喜び」の4つの中から、今感じているものを確認します。

「私は腹が立つ」「私は悲しい」「私は怖い」——この3つを口に出して、どれが一番しっくりくるか感じてもらいました。

「……私は怖いかな。」

「今度はなんで怒られるのかな」と、いつも怖かった3歳のAさんがそこにいました。

中学生の記憶――恐怖が「生き方のクセ」になった瞬間

さらに別の記憶が浮かんできました。中学2年生のとき、理科の実験中に薬品が目に入ってしまいました。

保健室に連れて行かれながら、彼女が真っ先に口にした言葉は——

「お母さんに怒られる……。」

目が痛いことより、お母さんへの恐怖が先に来ていたのです。

その後、迎えに来たお母さんに先生が「どうか怒らないであげてください」と伝えたことで、
逆にお母さんの感情に火がついて、余計に怒られてしまったそうです。

こうして、恐怖心を抱えながら生きることが、Aさんにとっての「当たり前」になっていったのです。

自己否定の正体――それは「恐怖心」が作り出した幻だった

ここまでの記憶をつなげると、ひとつの事実が見えてきます。

Aさんは幼い頃から、「いつ怒られるかわからない」という恐怖心を抱えて生きてきました。

怒られないように必死に頑張り、お母さんが喜んでくれることもたくさんしてきた。
感謝と恐怖——その両方を抱えて生きてきた幼い自分。

今の自分でその幼い自分を見てもらいました。

「どう思いますか?」

「まじめだなって思います。」

親の言うことをきかなきゃ。ちゃんとしなきゃ。道を外してはいけない。
そうやって一生懸命生きてきた幼い自分がいた。

「もういいよ。自由にしていいよ。」――潜在意識が解放された瞬間

セッションの最後、Aさんには最初にイメージしてもらったあの河原へと戻ってもらいました。

するとAさんは、イメージの中で——
自分の足についていた「足かせ」を、川にドボンと投げ捨てたのです。

もう怖がる自分はいらない。
大人になって、もう自由でいいのに、ずっと自由じゃないと思っていた自分。

そして、このセッションで見えてきた、大切な気づき。

Aさんは本当は、「自分はダメだ」なんて思っていなかったのです。
ただ、幼い頃から抱えてきた「恐怖心」が、潜在意識の中で自己否定を作り出していただけ——。

まとめ――自己否定を克服するために、潜在意識と向き合う

「自分はダメだ」という自己否定の感情の裏には、必ず潜在意識に刻まれた本当の原因があります。

それは多くの場合、幼い頃に感じた感情
誰かへの怖さ、理不尽さへの怒り、報われない悲しみ

そういった感情が、潜在意識の中でずっと生き続けていることによるものです。

ヒプノセラピーでは、その根っこにある記憶と感情にアクセスし、本当の自分を取り戻すお手伝いをします。

本当の原因が見つかったとき、初めて自己否定から自由になることができるのです。

もし今、「思うようにいかない現実」が続いているなら
それはひょっとすると、あなたの潜在意識からのサインかもしれません。

ぜひ一度、ヒプノセラピーにチャレンジしてみてください。
必ず何かが変わりますよ。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
あなたの毎日が、少しでも楽になりますように。

今日も自分を喜ばそう(^^)/